「マツコの何が“デラックス”か?」太田省一著

公開日: 更新日:

 マツコ・デラックスがなぜ人々を引きつけるのか。その魅力の秘密を分析するとともに、時代がマツコを求める理由を考察した現代社会論。

 著者は、マツコの自虐的な振る舞いの本質を、自分への批評性であると指摘。その批評性が他人に向けられるとき毒舌となるが、自分自身に対する厳しい批評があるから、マツコの毒舌は相手から一方的な攻撃とは受け取られずにすむと解き明かす。テレビでの発言や著作から、マイノリティーに属していながらテレビにおけるメジャーな存在になったその背景を探る。一方で敗戦後と同じような放心状態に陥った現在の日本社会が、転換期に生まれ育った「団塊ジュニア」の申し子としてマツコを必然的に呼び寄せたと読み解く。 (朝日新聞出版 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」