「魔力の胎動」東野圭吾著
鍼灸師のナユタは、右膝を傷めたスキーのジャンプ選手、坂屋幸広の治療にあたっていた。流体力学研究所の筒井とパソコンの画像で坂屋の過去のジャンプ映像を確認していたとき、開明大学医学部の羽原博士の娘、円華がやって来た。
円華の母は7年前、竜巻に巻き込まれて亡くなったため、筒井の研究に興味をもったという。坂屋が自分のフォームを見ていると、円華が「上体の突っ込みが早い」と言い、体の左右のバランスが狂っているのが原因だと指摘した。そして、坂屋に、ジャンプの試合のとき、自分の合図に合わせてスタートしろと言いだした。(「第1章」)
映画化もされた「ラプラスの魔女」の前日譚。(KADOKAWA 1500円+税)