「人魚の眠る家」東野圭吾著

公開日:  更新日:

 主人公・播磨薫子は、瑞穂と生人という2人の子を持つ母親。障害者支援機器の分野で注目を浴びるハリマテクスの社長・和昌と結婚したが、和昌の浮気をきっかけに別居し、瑞穂の小学校受験が終わったらすぐに離婚すると決めていた。

 そんなある日、瑞穂がプールで溺れて意識が戻らないという事故が起こる。瑞穂は、プールの排水口に突っ込んだ足が抜けなくなり、発見されたときには心臓も止まっていたのだ。蘇生によって心臓は動き出したものの、脳が機能している様子はなく、改善の見込みはないという。激しいショックを受けた薫子と和昌に対して医師は、脳死判定を受けるかどうかを静かに尋ねる。このまま脳死判定は受けずに自然にまかせて心臓が止まるのを待つか、脳死判定を受けて臓器提供を申し出るか。選択を迫られた薫子と和昌の決断は……。

「秘密」「祈りの幕が下りる時」など、ヒット作を連発する人気作家の最新作。医療技術を駆使して延命することが可能になったとき、大切な人の命の線引きを自分がしなければならなくなったとき、人はどんな決断ができるのかという問題提起が興味深い。(幻冬舎 1600円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「給料は我慢したのに」と戦力外通告の選手に言われて…

  2. 2

    偽装離婚で資産隠し 羽賀研二を“金の亡者”に変えた原点

  3. 3

    次女コウキのデビュー遠因か…父・木村拓哉が漏らした本音

  4. 4

    劇的試合続くも外国人記者ソッポ…錦織圭はなぜ“不人気”か

  5. 5

    日テレ料理番組終了で…速水もこみち“レギュラーゼロ”危機

  6. 6

    「笑点」歴代司会者で一番やりづらかったのは前田武彦さん

  7. 7

    愛娘の元彼・羽賀を“希代のワル”と見抜いた梅宮辰夫の慧眼

  8. 8

    厚労省にポストと金を握られ…監察委“お手盛り報告”の必然

  9. 9

    毎勤不正「組織的関与なし」幕引き図る監察委のデタラメ

  10. 10

    冷静と興奮…狂気さえ感じさせる菅田将暉の名演技に脱帽

もっと見る