「カミングアウト」砂川秀樹著

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 自分が性的マイノリティーであることを誰かに話すこと=カミングアウトは、「伝える側と伝えられる側との関係が作り直される行為の始まり」だと著者は言う。親密な関係、特に家族に対するカミングアウトは、激しい感情の動揺や深い葛藤が生じる。本書では、LGBTを嫌悪する兄に告白したゲイのかつきさんら、当事者によるカミングアウト・ストーリーを紹介しながら、カミングアウトすること、またはしないこと、できないことの意味や背景、そしてされたときにはどう受け止めたらいいのかを考察する。

 いろいろな人にさまざまな感情を引き起こすカミングアウトを深く理解することによって、セクシュアリティーについても改めて考えるきっかけを与えてくれる入門書。 (朝日新聞出版 760円+税)

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