「恋の川、春の町」風野真知雄著

公開日:  更新日:

 主人公は、駿河小島藩の年寄本役・倉橋寿平。武士でありつつも持ち前の筆の才能を生かして庶民を楽しませる戯作を書き、人気作家・恋川春町というもうひとつの名を持っていた。ところが、お上への批判をしのばせて書いた黄表紙が思いのほか大人気になってしまい、黄表紙への規制を強める松平定信に目をつけられたのではという噂が立ち始める。

 自由に物を書けない空気を感じた同業者たちは、風向きが変わるまで様子を見ようと休筆したり、田舎に逃げ込んだり。そうこうするうち、定信からの呼び出しがやってくる。吉原のおわき、女戯作者のおちち、幼馴染みのおけけらとの戯れに逃げ込んでみたものの、ついには本妻のおさねと身の処し方を話し合うときがきた……。

「妻は、くノ一」などの歴史小説で人気の著者による最新作。

 武士の身分にありながら、軽妙なタッチで武士批判の戯作を書き続け、謎の死を遂げた恋川春町。その生きざまを彼と関わりのあった6人の女を通して描いている。

(KADOKAWA 1500円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    偽装離婚で資産隠し 羽賀研二を“金の亡者”に変えた原点

  2. 2

    劇的試合続くも外国人記者ソッポ…錦織圭はなぜ“不人気”か

  3. 3

    毎勤不正「組織的関与なし」幕引き図る監察委のデタラメ

  4. 4

    「給料は我慢したのに」と戦力外通告の選手に言われて…

  5. 5

    日テレ料理番組終了で…速水もこみち“レギュラーゼロ”危機

  6. 6

    次女コウキのデビュー遠因か…父・木村拓哉が漏らした本音

  7. 7

    憲法改正国民投票CMに待った「通販生活」意見広告の趣旨は

  8. 8

    ハゲタカ勢も虎視眈々 日産vsルノーついに始まる株争奪戦

  9. 9

    愛娘の元彼・羽賀を“希代のワル”と見抜いた梅宮辰夫の慧眼

  10. 10

    「笑点」歴代司会者で一番やりづらかったのは前田武彦さん

もっと見る