「ストロングスタイル」行成薫著

公開日: 更新日:

 父親の影響でプロレスファンになった御子柴大河は、10歳のとき初めて父親に連れられて地元の市民体育館でプロレスを観戦した。そのとき一緒に行こうと誘ったのが、体が小さくてイジメられやすかった同じクラスの小林虎太郎。プロレスを見たら何かが変わるのではないかというおせっかいな気持ちで誘ったのだ。

 迫力ある試合を目の前にして、虎太郎もプロレスにすっかり魅了される。ところが、プロレスファンになった虎太郎に大河はバックドロップをかけてケガをさせてしまった。大河は父親からプロレス禁止令をくらった上に、虎太郎と遊ぶことすらできなくなった。そして時がたち、夢をかなえてプロレス団体JPFの人気プロレスラーとなった大河の目の前に、悪役レスラーとなった虎太郎が現れる……。

 2012年「名も無き世界のエンドロール」で第25回小説すばる新人賞を受賞してデビューした著者の最新作。強さを求め続けるふたりの男の姿が熱く描かれている。

(文藝春秋 1700円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束