作家生活25年の集大成となる記念作品を上梓 篠田節子氏に聞く

公開日: 更新日:

「女たちのジハード」をはじめ、数多くの骨太な物語を書き続けてきた篠田節子氏。作家生活25周年記念作として上梓された最新作「インドクリスタル」では、日本人ビジネスマンの目を通して、神秘の超大国インドの混沌と矛盾、そしてパワーがリアルに描かれている。近頃では珍しくなった2段組みで500ページを超えるボリュームながら、まったく長さを感じさせない圧巻の社会派エンタメ大作だ。

 主人公の藤岡は、人工水晶デバイスの開発と製造を行う企業の社長を務めている。あるとき、惑星探査機用の人工水晶の核となる良質なマザークリスタルを求めて訪れたインドの寒村で、宿の使用人兼“性接待係”として働く、ロサと呼ばれる不思議な少女と出会う。これをきっかけに藤岡は、日本の常識など通じない“だまされたら負け”のインド流ビジネスと、宗教や身分の違いが複雑に絡み合う混沌の闇へと足を踏み入れていく。

「最初にこの物語を書こうと思ったのは10年も前のことです。最初のうちは、少女を“生き神”としてあがめるインドのある地域で、彼女と出会った日本人男性が美しい風景の中で妖しくも神秘的な体験をする――といったストーリーを考えていました」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い