「NORTH北へ」スコット・ジュレク著 栗木さつき訳

公開日: 更新日:

 軽装で山々を走り抜けるトレイルランが、新しいスポーツとして若者の間でブームになっている。本書は、そのトレイルランの最高峰のひとつである北米アパラチアン・トレイル(AT)の総延長3500キロを46日8時間7分で走り切り、最速踏破記録(FKT)を打ち立てた著者の挑戦の過程をつづった回想録だ。「僕はつねに、トレイルとは地球の表面を走る血管だと考えてきた。大陸全体に広がる血管のように山脈や渓谷を縦横に走るトレイルでの体験を共有すれば、実に多くのことを学べる」と著者。

 肉体的にも精神的にも極限状態にある中で、くしくも妻の誕生日に、妻と仲間が待つ最後のカタディン山の頂に到達したときのシーンは感動的だ。 (NHK出版 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 2

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  3. 3

    国分太一が無期限活動休止へ…理由は重大コンプラ違反か? TV各局に全番組降板申し入れ、株式会社TOKIO解雇も

  4. 4

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    進次郎農相の化けの皮ズルズルはがれる…“コンバイン発言”で大炎上、これじゃあ7月参院選まで人気持たず

  3. 8

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ