「新章 神様のカルテ」夏川草介著

公開日: 更新日:

 栗原一止は信濃大学病院に勤務する内科医だ。ある日、消化器内科の新発田医師から相談を持ち掛けられた。上司の宇佐美医師に「ベッドがいっぱいだから、余計な患者を早く退院させなさい」と言われたという。

 84歳の園原今朝雄は、重症の心不全で一般病院では危険だからと、胃ろう造設のため入院した患者だ。検査をしたら問題になるほどのこともなく、処置が終わって術後も安定している。それなのに娘の富子が検査や認知症の評価などを要求し、入院期間を延ばそうとしているのだ。富子が昔、看護師をしていたと聞いて栗原は、転院ではなく在宅介護の準備を始めたいと切り出した。(第1話「緑光」)

 大学病院に舞台を移した4年ぶりの新作。

 (小学館 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性