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「沖縄報道」山田健太著

 現地と本土とで絶句するほど温度差のある沖縄基地問題。その現状を直視せよ。

 米軍基地問題について、沖縄の地元紙は偏向報道だという批判が絶えない。大学でジャーナリズム論を講じる著者は「公平報道」という考え方そのものから問い直し、安倍首相がしばしば「私にも言論の自由がある」という考えがいかに筋違いのものかを論じる。

 言論の自由とは、権力者ではなく権力と対峙する庶民のためのものなのだ。また一見「アンバランス」に見える沖縄の地元紙の姿勢は、実は全体の構図がアンバランスになっているがゆえの「アンバランスでバランスをとる」姿勢なのだという。

 議論の展開は冷静かつ丁寧でしかも明快。在京大手紙と地元紙の「報道格差」についてもわかりやすく整理している。惜しむらくは(著者自身も断っているとおり)議論の対象が新聞限定であること。いまやネット言論の影響力は無視できず、安倍政権自らがネットを逆用している。次回はぜひネット言論の分析を期待したい。

 (筑摩書房 900円+税)



「沖縄問題、解決策はこれだ!」橋下徹著

 平成の後半はこの人の時代だったといっても過言ではない。タレント弁護士から大阪府知事、維新の会、大阪市長……と巻き起こした波乱は平成15年から27年まで。いまや安倍政権の影のアドバイザー(?)の面影もあるが、本書は沖縄で行った講演録の編集版。

 沖縄の反基地闘争に理解を示しながら、本題は米軍基地の縮小による沖縄の観光立国論の提唱。そのためには日米地位協定の改定も必要と、諸問題を巧みに結びつけ、自分流の“大阪ケンカ道”を伝授すると説いている。 (朝日出版社 1380円+税)


「沖縄の聖地御嶽」岡谷公二著

 仏文学と美術史の研究から次第にゴーギャンなどが描いた熱帯に魅せられ、ついには日本民俗学を経て独自の「神社学」に至った著者。熱狂的なファンを持つ著者の最新作は沖縄の神社にあたる「御嶽」を訪ねて離島を旅して回った旅行記だ。
 かつて柳田国男は沖縄の御嶽を日本神道の古い形が残ったものだと説き、折口信夫は日本文化は本土から沖縄へと南下したとの説を唱えた。著者は霊感に導かれるように韓国・済州島、さらに新羅文化の残る慶州へと赴く。自由自在な行動と思索が愛読者を魅了する。
 (平凡社 800円+税)



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