「大江戸落語百景いびき女房」風野真知雄著

公開日: 更新日:

 大工の辰五郎が半月前に嫁にしたおたまは、隣町から見物人が来るほどのかわいらしさだが、当の辰五郎は浮かない顔。幼馴染みの平太が訳をたずねると、実は女房のいびきがすごくて、眠れないという。

 にわかには信じられない平太は、あんなにかわいい女房をもらったのだから、いびきくらいは我慢しろと諭すが、辰五郎は耳栓をしても中で割れるほどのいびきに我慢の限界を超え、まともに聞いていると怖くなってくるほどだという。おまけに、おたま自身は自分のいびきに全く気づいていない。大家から長屋を出ていくよう迫られた辰五郎は、わらにもすがる気持ちで平太に紹介された医師に往診を頼むが……。(表題作)

 落研出身の作家による新作落語小説集第4弾。

 (徳間書店 660円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー