戸籍謄本の保管期間は150年 破棄されてからでは遅い!

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 近ごろ“家系図づくり”が密かなブームになっている。NHKの番組「ファミリーヒストリー」や「日本人のおなまえっ!」などの影響で、自分の先祖に興味を持つ人が増えているようだ。

 渡辺宗貴著「わたしの家系図物語(ヒストリエ)」(時事通信社 1800円+税)では、意外と難しい家系図づくりのノウハウを分かりやすく伝授。基本的な家系図の書き方から戸籍調査、土地関連資料の調べ方、菩提寺(ぼだいじ)への聞き取りなど、その方法が記されている。

 まず行いたいのが戸籍謄本の取得だが、家系図づくりを行おうと思ったら一日でも早く行動に移すべきだ。なぜなら保管期限を迎えた戸籍は、誰に通知されることもなく役所の倉庫に運び込まれて封印される。封印された戸籍は二度と取得することができなくなり、東京や大阪、あるいは各都道府県の都市部では、保管される間もなく破棄処分されてしまう。保管期限は現在150年であり、今まさに先祖の戸籍が破棄されているかもしれないのだ。

 日本に戸籍制度ができたのは明治5年で、江戸末期から明治初期の先祖の名前や生年月日、住んでいた場所などをたどることができる。江戸時代は身分によって住む場所が分けられていたため、郷土史調査などで先祖の身分も分かってくる。そして菩提寺を突き止めることで、寺が保存している先祖の戒名や俗名、没年が記された「過去帳」にたどりつき、さらに古い時代へと遡ることが可能になる。しかし、江戸末期から明治初期の戸籍が破棄されてしまうと、これらの調査が非常に難しくなるのだ。

 古い戸籍に使われている変体仮名や、旧土地台帳の読み解き方なども解説。究極の“自分探し”に挑戦してみては。

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