「裏昭和史探検」小泉信一著

公開日: 更新日:

 カラオケなどなかった時代、全国津々浦々のネオン街には「流し」と呼ばれる人たちがいた。新宿のゴールデン街では旧ソ連の元首相に似ている、通称「マレンコフ」が、2曲1000円で歌っていた。「奥飛騨慕情」で有名になった盲目の歌手、竜鉄也は、奥飛騨温泉郷で流しをしていた。真冬に外から暖かい店に入ると、髪に凍り付いていた雪が溶けてポタポタ落ちたという。

 高度成長から高度消費社会に移り変わる頃に現れたのが「愛人バンク」。筒見待子は銀座に「愛人バンク 夕ぐれ族」の事務所を構えた。男性会員の入会金は20万円で、見合いをして気に入れば当事者同士で手当を決めて付き合うというシステムだった。愛人というとドロドロしたイメージだったのが、都会的でおしゃれなネーミングにひかれたのか、大学教授や医師、弁護士などのインテリ層が入会。最盛期には数億円の収益を上げたが、1983年に売春防止法違反で摘発された。

 他にツチノコ、UFOなど、懐かしいものからバブリーなものまで、昭和を騒がせた風俗を取り上げた面白エッセー。末井昭氏との対談付き。

(朝日新聞出版 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ベネズエラ戦惨敗は井端監督の「自業自得」…リリーフ崩壊は昨年末から始まっていた

  2. 2

    大谷も「勝てる要素のある試合」と悔いた 侍J最悪のWBC8強止まり…井端監督チグハグ采配の痛恨

  3. 3

    小栗旬がハリウッド“資本”映画で主演も… トラウマ級の英語力と「スター」への高い壁

  4. 4

    侍J選手を“殺した”井端監督の偏重起用、場当たり、塩漬け…こうして結束力に亀裂が生じた

  5. 5

    国立大学なら入学辞退率がゼロに近いはずだけど実態は? 有名私立と天秤にかけられる意外な大学

  1. 6

    「国宝」日本アカデミー賞10冠の陰で…森七菜“最優秀助演女優賞”逃した不運と無念

  2. 7

    侍Jを苦しめるNPB「選手ファースト」の嘘っぱち トレーナーの劣悪待遇に俳優・渡辺謙もビックリ?

  3. 8

    広瀬すず 映画賞受賞ラッシュでも残された大仕事「大河ドラマ出演」への“唯一のネック”

  4. 9

    「ガキ使」の没個性化が進む? 松本人志の“週替わりCM”で「本編」が希薄化の危機

  5. 10

    黄川田こども担当相の“ポンコツ答弁”が炸裂! 立憲・蓮舫氏との質疑で審議が3回も中断する醜悪