「紋切型社会」武田砂鉄著

公開日: 更新日:

 誰もが何げなく使っている言葉に潜む社会の欺瞞をあぶり出すコラム集。

「五体不満足」の乙武洋匡氏と、薬害エイズ事件原告の川田龍平氏。同い年の2人だが、前者は乙武「君」と呼ばれ、後者は川田「さん」と呼ばれるのはなぜか。乙武氏が、障害者は「君たちが決めつけてくるほど不幸じゃないよ」と快活に放つメッセージと、それを受け取る側の承諾が早い段階でスムーズに交わされたからこそ、彼には親しみの証しとして「君」という敬称が安定的に使われたと説き、障害の深刻度を「最適化」する世の中を斬る。

 他にも、結婚式で新郎新婦が読み上げる手紙の「育ててくれてありがとう」「国益を損なうことになる」など。はびこる紋切り型言葉遣いを解きほぐし、世の中にまかり通る嘘を暴く。

 (新潮社 590円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    お台場の海はなぜ汚いのか 水質を知り尽くす港区議が警鐘

  2. 2

    話題の巨人・丸“あっち向いてホイ打法”を広島・誠也に聞く

  3. 3

    田原俊彦が干された真相…「BIG発言」だけではなかった

  4. 4

    劣化が止まらない日本 安倍政権6年半の「なれの果て」

  5. 5

    虎戦力外の鳥谷をスルー 巨人今オフ補強“本命”は広島菊池

  6. 6

    夜の六本木から小栗旬グループが消えた…“なるほど”な理由は

  7. 7

    巨人坂本 悲願の打撃2冠狙うも「2つの敵」が立ちはだかる

  8. 8

    視聴率2ケタ健闘 韓国ドラマの日本版が意外にも好評な理由

  9. 9

    土屋太鳳&山崎賢人まさかの4度目共演…焼けぼっくいに火?

  10. 10

    台風で倒れたゴルフ場のポールで家屋投壊…責任はどこに?

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る