「全国駅弁大百科」旅鉄BOOKS編集部編
「全国駅弁大百科」旅鉄BOOKS編集部編
鉄道旅の楽しみのひとつ「駅弁」の始まりは、鉄道が開通して13年後の1885(明治18)年とされる。場所は宇都宮駅で、近くで旅館を営んでいた主人が駅弁売りをしたのが最初だという。売られた駅弁は黒ゴマをまぶした梅干しおにぎり2個とタクアン2切れ。
明治20年代に入ると、鉄道は全国に広がり、1889(明治22)年には、姫路駅で上折りに13種のおかず、下折りに白飯という折り詰めが販売され、これが日本で初めての幕の内駅弁といわれる。
以来、1世紀以上の歴史を重ね、現在、全国で販売されている駅弁は2000種にも及ぶという。
本書は、そんな数ある中から一度は食べてみたいおすすめを紹介するビジュアルガイド。
まずはその道の達人5人に、これだけは必ず食べておきたい駅弁5種を選んでもらう。
これまでに6000食以上の駅弁を食べてきた「駅弁タビリスト」の櫻井寛さんのおすすめは、小諸駅の駅員だった母親の好物だったという高崎駅の「鶏めし弁当」をはじめ、日本広しといえども「鱈」をメインにした駅弁はこれ以外にないという直江津駅の「鱈めし」、グルメ駅弁の草分けとして有名な小淵沢駅「元気甲斐」、計6層からなる郡山駅の究極の海苔弁「海苔のりべん」、そして自らがプロデュースした松阪駅の「松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!」。
以降、元JR東海の車内販売員の木村裕子さんおすすめの1日40食限定のJR室蘭線・母恋駅「母恋めし」や、ウェブサイト「駅弁資料館」の館長、福岡健一さんのおすすめ肥薩線・嘉例川駅の「百年の旅物語かれい川」など、どの駅弁もよだれが出てくるほどおいしそう。
さらに北海道から九州まで駅別に名物駅弁1000種を網羅。駅弁を食べに旅に出るのも悪くない。
(イカロス出版 2200円)