ますます巧妙化するフィッシングメール…証券口座乗っ取りはまさにイタチごっこ
フィッシング対策協議会は16日、「大和証券をかたるフィッシングの報告を受けています」とする緊急情報を公開した。「フィッシングサイトは本物のサイトの画面をコピーして作成されることが多く、見分けることは非常に困難」(同協議会)とされる。このため、日頃から、サービスへログインする際はメールやSMSのリンクを利用するのでなく、公式アプリやウェブブラウザーのブックマークからアクセスするよう、注意を促している。
この大和証券をかたるフィッシングメールは実に巧妙だ。「実は大和証券はオンライントレードを行っている顧客などに対して、ログイン追加認証の必須化に関するハガキを送付している最中なのです。それと時期を同じく混同しかねない内容のフィッシングメールを送付して、偽サイトに誘導し、ID・パスワードを盗み出そうとしているのです」(関係者)というから驚かされる。まさにイタチごっこだ。
犯罪集団は、こうして盗み取ったID・パスワードで証券口座を乗っ取り、「口座内の株式を売却する。一方、売買が薄く株価を動かしやすい銘柄をターゲットに大量購入することで価格を吊り上げたうえで、別口座で売り抜けて利益を手に入れる」(市場関係者)という。