「あの天才がなぜ転落」玉手義朗著
クロアチア生まれのニコラ・テスラは、幼い頃から数式や物の仕組みを考えると、3次元のイメージが頭に浮かび上がる特殊な能力があった。グラーツ工科大学に入学すると、当時、誰も手を出さなかった交流モーターの開発に取り組み、発明王エジソンですら諦めていた交流モーター実現のアイデアを思いつく。
エジソンに提案するも無視されたテスラは会社を設立。1893年に開催されたシカゴ国際博覧会ではエジソンに打ち勝ち、交流システムが採用。電流システムの覇権を手にする。
そんな中、イタリアの通信技師が世界初の無線通信に成功。同じく開発を手掛けていたテスラの自尊心は傷つき、これを機に迷走を始める……。
麻酔の発見者ホレス・ウェルズら12人の天才たちの生涯を追いながら、その「失敗の本質」を解説する。
(日経BP社 1600円+税)