「蜃気楼『長嶋茂雄』という聖域」織田淳太郎著

公開日: 更新日:

 彼はなぜ、これほど多くの人に愛されるのか。光り輝く善意のスーパースターに、陰の部分はないのか。もしあるとしたら、メディアはなぜ、それを黙殺してきたのか。取材記者として、長嶋を追い続けてきた著者が、「長嶋茂雄という聖域」に踏み込んで、その全体像をつかもうと試みた異色の人物論。

 ある巨人軍OBは、長嶋のことを「底知れぬ空」にたとえたという。天才的なスーパースター像は、国民的人気を背景にメディアがつくり出す虚構によって、蜃気楼のように無限に膨らんだ。称賛あるのみで、スキャンダルはタブー。メディアは長嶋の何を伝えてこなかったのか。著者はあえてそれを探ろうとする。

 美貌と才気を持ちながら、決してメディアに登場しなかった亜希子夫人の真意。偉大な父の背中を追った長男、一茂の苦悩。近しい人でさえ知らない長女の消息。長嶋茂雄の後見人を自称した男の暴かれた本性……。いつも明るくポジティブなミスターの、孤独と悲哀が垣間見えてくる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    角栄側近・石井一氏が語る ロッキード事件真相と政治腐敗

  2. 2

    東出昌大は「帰宅拒否症」だった“理想の夫婦”の哀しい現実

  3. 3

    東出の実母が関係修復に尽力 姑の泣き落としに杏の反応は

  4. 4

    川口春奈“本格女優”は茨の道 NHK大河のご祝儀も期限切れ?

  5. 5

    新型コロナ感染拡大で現実味…東京五輪返上で20兆円消失

  6. 6

    女性がNHK大河ソッポ 長谷川博己“若い明智光秀”なぜ不評?

  7. 7

    東出不倫騒動トバッチリなのに…桐谷健太が見せた“神対応”

  8. 8

    「なるほど!ザ・ワールド」名物リポーター迫文代さんは今

  9. 9

    東出昌大は「不倫常習者の典型」と識者…杏は苦しい決断に

  10. 10

    小田嶋隆氏「最大の罪は国の文化と社会を破壊したこと」

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る