「偽りの春」降田天著

公開日: 更新日:

 和枝は、朱美と希が1000万円の金を持って消えたのに気づいた。警察に駆け込むわけにはいかない。5人の詐欺グループで高齢者をターゲットにだまし取った金なのだ。報告を受けた私は、シングルマザーと暮らしている隣家の波瑠斗にランドセルをプレゼントしたら、この町から去ろうと考えた。

 そんなとき、「これまでのことを黙っていてほしければ、1000万円用意しろ」という脅迫状が届いた。仕方なくキャディーの仕事で知り合った認知症の老人の家から1万円札の束10個を盗み出すが、その帰途、パトカーに声をかけられる。「おばさん、具合悪いの?」(表題作)

「落としの狩野」と呼ばれる刑事が活躍するミステリー短編集。

(KADOKAWA 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」