「鬼を待つ」あさのあつこ著

公開日: 更新日:

 北町奉行所同心の冷徹な木暮信次郎と刺客の過去を持つ遠野屋清之介、そして木暮の手下で岡っ引きの伊佐治の3人が活躍する〈弥勒〉シリーズの最新第9作。

 本所尾上町の小料理屋「梅屋」にいた伊佐治の元に、石川町の飲み屋で男2人が殴り合っているとの知らせが入った。殴られたのは大工の棟梁・慶五郎で、額が割れたが命に別条はない。しかし、殴った菊八は翌朝、寺の境内で首を吊った状態で発見された。

 慶五郎は伊佐治に「殴り合いの種は自分にある、菊八の女房とせがれの面倒を見る」と言い、菊八の女房も渋々ながら受け入れ一件落着となる。

 2カ月後の早朝、本所深川で五寸釘で首を貫かれた死体が出た。男は慶五郎だった。同じ頃、事件がつづられた読売に目を通した遠野屋清之介は妙な胸騒ぎを感じる……。

(光文社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方