「生きるための図書館」竹内悊著

公開日: 更新日:

 近年、図書館は本を貸し出すだけの存在から変わりつつあり、地域でさまざまな役割を担い始めている。本書は、そんな人と図書館の関係を見つめ、その未来を考える。

 まずは多摩地区のある市立図書館分館の一日を紹介。中央図書館と分館10館がある同市では、誰でも自宅から歩いて10分以内に図書館という環境を実現。市民1人当たりの年間貸出数は全国平均の2倍を超える。その図書館サービスの発展を支えたのは、子供の読書環境をより良いものにと考える民間の有志の活動と図書館員によって続けられてきた努力だった。

 その歴史を振り返る一方、東日本大震災の被災地で、図書館員がどのような取り組みをしたのかなども紹介、人と本をつなぐ仕事と図書館の役割を考える。

 (岩波書店 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ