「生きるための図書館」竹内悊著

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 近年、図書館は本を貸し出すだけの存在から変わりつつあり、地域でさまざまな役割を担い始めている。本書は、そんな人と図書館の関係を見つめ、その未来を考える。

 まずは多摩地区のある市立図書館分館の一日を紹介。中央図書館と分館10館がある同市では、誰でも自宅から歩いて10分以内に図書館という環境を実現。市民1人当たりの年間貸出数は全国平均の2倍を超える。その図書館サービスの発展を支えたのは、子供の読書環境をより良いものにと考える民間の有志の活動と図書館員によって続けられてきた努力だった。

 その歴史を振り返る一方、東日本大震災の被災地で、図書館員がどのような取り組みをしたのかなども紹介、人と本をつなぐ仕事と図書館の役割を考える。

 (岩波書店 780円+税)

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