「黄金州の殺人鬼」ミシェル・マクナマラ著、村井理子訳
1970年代から80年代のカリフォルニアで、50件を超える性的暴力と少なくとも12人の殺害、100件以上の強盗事件があった。それがたった1人の男の犯行だと分かったのは、男が最後に起こした殺人事件から十数年後のこと。しかし犯人特定には至らず、事件は迷宮入りした。
そんな未解決事件を個人的な思いから追いかけ続けた著者は、犯人を「黄金州の殺人鬼」と名付ける。そして最後の事件から約30年後の2017年、犯人につながる品のひとつをネットで発見する――。
事件の被害状況や犯人の足取りなど、パズルを解き、空白を埋めるような14年にわたる執拗な調査は圧巻。全米で話題の“シリアルキラー”ノンフィクション。
(亜紀書房 2500円+税)