「彼方のゴールド」大崎梢著

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 主人公は、老舗出版社「千石社」に勤める目黒明日香。入社後営業部に配属になり、このまま営業畑で働くのもいいかも……と思っていた直後、突然総合スポーツ誌「GOLD」編集部への異動の辞令を受けた。

 スポーツが苦手で、経験といえば小学3年生でやめてしまった水泳くらいしかない自分が、ここでやっていけるのかと戸惑いつつも、明日香は体当たりで仕事に飛び込んでいく。

 知らない専門用語に苦労しつつ、取材時に拾った選手たちのふとした言葉や、プロ意識の高いフリーのスポーツライターらに刺激を受けながら、自分なりのやり方を少しずつ見つけていく。そして、アスリートの姿を垣間見る中で、オリンピックを目指していたある友達との古い記憶が蘇ってきたのだが……。

 本作は、出版社を舞台にした人気の「千石社シリーズ」第4弾。今回は、スポーツ誌を舞台に奮闘する新米記者が、アスリートの葛藤やドラマを目撃。

 彼らを追いかけながら自身を成長させていく、爽やかなお仕事小説になっている。オリンピックイヤーに向けて過熱していく、スポーツを伝える現場の臨場感が伝わってくる。

(文藝春秋 1450円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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