「希望という名のアナログ日記」角田光代著

公開日: 更新日:

 著者が作家を夢見たのは小学校1年生のとき。テレビを見るより、出掛けるよりも本が好きで、読み書きができるようになって初めて書いた作文に、「作家になりたい」と決意表明したのだ。やがて作家になる“夢”は将来の目標になり、大学1年のとき、少女小説で新人賞をもらいデビューする。ところが、自分が書きたいものとは違うと気が付いてしまい、本も売れず、大学卒業間際には担当者から「クビ」を宣告され、まさかの無職に……。

 今や大人気作家の著者が23歳で出直しデビューしてから、直木賞受賞までの間の挫折、母との別れや離婚、受賞以降の仕事観、旅など半生とプライベートをつづったエッセー。

 夢は放っておいてもかなう人もいるが、自分にとってのそれは正しい努力をして初めて手に入るものという著者が再婚する気になった理由、大好きな忌野清志郎の魅力、さらには那覇マラソン、住んでいる町の素顔まで日々の暮らしを描いた全50編を収録。

(小学館 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する