「光る風 1970」 山上たつひこ著

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 1970年4月から11月にかけて「週刊少年マガジン」で連載された。昭和○○年、S県藻池村で原因不明の奇病が発生、700人を超える死者が出る。その後、一帯で生まれた赤ん坊の8割にこの藻池奇形症が表れる。その32年後から物語が始まる。

 主人公の六高寺弦は先祖代々軍人の家系に生まれ、父も兄も軍人だが、弦はある偶然から藻池奇形症のことを知り、この奇病を調べていくうちにこの病を発生させた重要な秘密に行き当たる。しかし、憲法は形骸化し、国防軍の国外派兵や危険思想取り締まりが強化され、弦の身にも官憲の魔手が伸びてくる……。

 雑誌連載当時の新左翼運動やベトナム反戦運動が色濃く反映される硬派な社会派ドラマだ。作者はこの4年後、真逆のギャグ漫画「がきデカ」を発表し、世間を驚かす。

(フリースタイル 1900円+税)

【連載】名作でよむ破綻した近未来

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