「慢性副鼻腔炎を自分で治す」北西剛著

公開日: 更新日:

 鼻づまりだけですぐに病院を受診する人は少数かもしれないが、たかが鼻づまりとバカにしてはいけない。重篤な疾患と比べると深刻さはないものの、常時続くと集中力の低下や不眠、頭痛など全身に悪影響を及ぼしかねない。

“慢性鼻炎”と自己判断して放置するのも禁物だ。鼻づまりが治りにくいのは、原因疾患が正しく突き止められていないためだと、耳鼻科医の著者は言う。鼻づまりを起こす条件は、鼻の粘膜の腫れ、鼻水がたまっている、ポリープができている、鼻の骨が曲がっているという4つに分けられる。そして、粘膜の腫れや鼻水などの症状を引き起こす疾患には、アレルギー性鼻炎から慢性副鼻腔炎、自律神経の不調によって起こる血管運動性鼻炎などさまざまあるのだ。

 アレルギー性鼻炎を放置していると気管支ぜんそくを併発したり、慢性副鼻腔炎が鼻の周辺組織への合併症を引き起こし髄膜炎や視神経炎などにつながる恐れもあると本書。まず大切なのは耳鼻科の専門医を受診し、正しい診断と治療を受け、そして日々のセルフケアを行うことだと説いている。

 ほとんどの鼻の疾患に効果を発揮する、オールマイティーのセルフケアが鼻うがい。生理食塩水を片方の鼻の穴から入れて、鼻腔内を洗う方法だ。また、セサミオイルや亜麻仁油を綿棒に付けて鼻の粘膜に塗るオイル点鼻も有効。鼻の乾燥だけでなく、鼻水や鼻水が喉の奥に流れ込む後鼻漏にもおすすめだという。

 他にも、脳と鼻の境目にある蝶形骨のズレを治す頬骨押しや、40~50度のお湯で絞ったタオルを鼻の付け根にあてる鼻カイロなど、鼻に効くセルフケアの数々を紹介。正しい対処で、不快な症状とは早めにおさらばしよう。

(マキノ出版 1350円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷の「新・代理人枠」狙い大物エージェントが虎視眈々…争奪戦勃発は待ったなし

    大谷の「新・代理人枠」狙い大物エージェントが虎視眈々…争奪戦勃発は待ったなし

  2. 2
    阪神・大山悠輔 今季中にFA権取得見込みであるのか? まさかの巨人流出…ロッテ、楽天も虎視眈々

    阪神・大山悠輔 今季中にFA権取得見込みであるのか? まさかの巨人流出…ロッテ、楽天も虎視眈々

  3. 3
    大谷「英語力」格段向上の皮肉とプラス効果 元通訳・水原容疑者の裏切りが副産物を生んだ

    大谷「英語力」格段向上の皮肉とプラス効果 元通訳・水原容疑者の裏切りが副産物を生んだ

  4. 4
    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

  5. 5
    水原一平容疑者は刑務所に何年ブチ込まれる? 違法賭博発覚への「妨害工作」次々判明

    水原一平容疑者は刑務所に何年ブチ込まれる? 違法賭博発覚への「妨害工作」次々判明

  1. 6
    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

  2. 7
    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

  3. 8
    福原遥が挑むNHK朝ドラ&大河W主演「歴代4人の超難関」への道…まずは2025年「べらぼう」出演

    福原遥が挑むNHK朝ドラ&大河W主演「歴代4人の超難関」への道…まずは2025年「べらぼう」出演

  4. 9
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  5. 10
    若林志穂さん「生活保護受給」をXで明かす…性被害告発時のアンチ減り、共感者続出のワケ

    若林志穂さん「生活保護受給」をXで明かす…性被害告発時のアンチ減り、共感者続出のワケ