「医者が教える サウナの教科書」加藤容崇著

公開日: 更新日:

 いわゆる“仕事ができる人”、つまりビジネスエリートと呼ばれる人種には、サウナ好きが少なくない。実は近年、サウナがビジネスパフォーマンスを上げる医学的根拠が次々と明らかになっているという。

 超高温のサウナに入り、冷たい水風呂に漬かり、椅子などに座って休む外気浴を行う。このように、目まぐるしい環境の変化を体に与えることに、どのような効果があるのか。例えば、サウナでは人体の生命維持システムである自律神経が刺激され、鍛えられる。すると、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、メンタルが安定して感情的になりにくくなるという。

 サウナに入る前と後の脳の働きを調べてみると、サウナに入った後はα波が正常化することも分かっている。そして、情報を一定期間保持して処理する能力であるワーキングメモリーが向上し、集中力のアップにもつながる。

 また、サウナに入った後はβ波も増加するという。これは、脳が少し緊張した状態で活動していることを表す脳波だ。入浴の後はリラックスが強くなりα波だけが増えてβ波は減少するが、サウナの場合は感覚をつかさどる脳の領域が活動してβ派も増加し、アイデアやひらめきが浮かびやすい状態にもなるそうだ。

 他にも、脳疲労が消える、睡眠をコントロールできるようになる、五感が敏感になる、眼精疲労が和らぐ、血管の弾力が増すなど、さまざまな効果が期待できると本書。サウナ→水風呂→外気浴を1セットとし、1セットの途中で入浴や体を洗うなどの別の行動を挟むと効果が薄れやすいのでNGなど、正しいサウナの入り方も伝授している。健康+ビジネスパフォーマンスも高めるサウナ。活用しない手はない。

(ダイヤモンド社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも