「ヨコハマメリー」中村高寛著

公開日: 更新日:

 かつて横浜の街に出没する有名な老女がいた。歌舞伎役者のような白塗りメークに、全身真っ白な装いの彼女は、人々から「メリーさん」と呼ばれる街娼だった。いつしか街から消えた彼女の生涯を追うドキュメンタリー映画「ヨコハマメリー」の監督が、その撮影の舞台裏をつづったルポ。

 きっかけはテレクラだった。1997年、駆け出しの助監督だった著者はテレクラで会話した見ず知らずの女性とメリーさんの話題で盛り上がる。

 以来、彼女のことが気になり、メリーさんが暮らしていた伊勢佐木町で手当たり次第に話を聞くと、やはり誰もが彼女のことを知っていた。交流があった人々を一人一人訪ね歩き、話を聞く中、郷里にいるという彼女の所在が分かり、会いに行く。

(河出書房新社 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール