「ヨコハマメリー」中村高寛著

公開日: 更新日:

 かつて横浜の街に出没する有名な老女がいた。歌舞伎役者のような白塗りメークに、全身真っ白な装いの彼女は、人々から「メリーさん」と呼ばれる街娼だった。いつしか街から消えた彼女の生涯を追うドキュメンタリー映画「ヨコハマメリー」の監督が、その撮影の舞台裏をつづったルポ。

 きっかけはテレクラだった。1997年、駆け出しの助監督だった著者はテレクラで会話した見ず知らずの女性とメリーさんの話題で盛り上がる。

 以来、彼女のことが気になり、メリーさんが暮らしていた伊勢佐木町で手当たり次第に話を聞くと、やはり誰もが彼女のことを知っていた。交流があった人々を一人一人訪ね歩き、話を聞く中、郷里にいるという彼女の所在が分かり、会いに行く。

(河出書房新社 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」