「女たちの本能寺」楠戸義昭著

公開日: 更新日:

「本能寺の変」によって運命が激変した信長と光秀の一族の女性たちにスポットライトを当てた歴史読み物。

 信長の正室の濃姫は、小説やドラマでは本能寺で明智勢に果敢に挑む姿が描かれている。しかし、一次史料にはそうした記録はなく、変が起きた天正10年には既に死んでいたようだと指摘する。

 一方、光秀の正室・煕子も変の6年前に死んでいたことを示す墓があり、光秀の死の直後に坂本城と運命を共にしたという「明智軍記」の記述と矛盾する。そうした正室の謎に始まり、いとこ同士だった光秀と濃姫、信長が寵愛(ちょうあい)した光秀の妹・御妻木、さらに江戸時代に大奥に君臨した春日局と光秀の関係まで。

 明らかになった新真実を盛り込みながら、信長・光秀ゆかりの7人の女性たちの実像を描き、本能寺の変の本質に迫る。

(祥伝社 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する