「特別講義『ひきこもり大学』」ひきこもり大学出版チーム編

公開日: 更新日:

「ひきこもり」が絡む事件の多発化が目立ち、あたかも彼らがモンスターかのように感じている人も少なくない。しかし実際は、いじめに遭いながらも必死に生きる中で社会に出るエネルギーを使い果たした、親の言葉の暴力から逃げるためひきこもったなど、今の世の中の「生きづらさ」をまともに受け止めてしまっている人たちが大多数である。

 現在、ライフスタイリストとして活躍する乃浬子さんは、家に居場所がなくひきこもることができなかった「外こもり」を経験。スタイリストとして活躍するも「自己評価の低さ」に苦しみ、渡米し12年間を過ごした。やがて乃浬子さんは「生きづらさ」の原点は家族との関係にあることに思い至る――。

 本書はひきこもった本人が講師役になり、親や支援者に向け、自分の経験や知恵を授業する「ひきこもり大学」の活動を9つの講座にまとめたもので、生の声や親への具体的なアドバイスなどが紹介されている。何かとネガティブに捉えられがちだが、ひきこもったからこそ気づいた「幸せの基盤は自尊心」「家族がそれぞれの人生を受け取っていくことの大切さ」などのメッセージは、読者の生きるヒントになるかもしれない。

(潮出版社 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 2

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  3. 3

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    “キムタク効果”見込んだ吉野家の戦略は残念な結果に…ファンの間に沸き起こる「藤田ニコル復帰待望論」

  1. 6

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  2. 7

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  3. 8

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  4. 9

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  5. 10

    維新また猿芝居…国会空転トップ会談で定数削減法案に“白旗”も「今時点で取り下げない」と強がるワケ