「空気が支配する国」物江潤著

公開日: 更新日:

 コロナ禍によって、さらに重苦しくなった日本を覆う「空気」の存在。その空気の正体に迫りながら、現代社会の特徴を明らかにする日本人論。

 かつて「日本人は日本教(空気を唯一の教義とする宗教)の信者」と主張した小室直樹氏や山本七平氏など、先人の著作を読み解く。その上で、空気とは曖昧な掟で、日本では諸外国のような明確な掟が少ないゆえに、仕方なく何が正しいのか探ることを「空気を読む」と定義。「同調圧力」は掟に生じる命令だと説く。

 空気が生まれる過程や、戦争や原発事故で国家・国民を支配した空気の危険性、さらにコロナ騒動で垣間見えた空気に翻弄される政治など。さまざまな視点から空気によって右往左往する日本の姿を描き出し、空気との向き合い方を考える。

(新潮社 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さま進路先めぐる情報「根拠ない」は本当か? 秋篠宮家側近の“あやふやな説明”

  2. 2

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  3. 3

    JOC山下泰裕会長の療養離脱からはや1年…三屋裕子代行でも“無問題の大問題”

  4. 4

    K-POPライブ供給過多のシワ寄せ…赤字イベント増える日本でプロモーターが稼ぎたがるワケ

  5. 5

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か

  1. 6

    紀子さま《思い悩む》58歳誕生日で苦悩告白…悠仁さま“東大合格”で待ち受けるさらなる風当たり

  2. 7

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    高市早苗が総裁選で猛追!「選挙の神様」が陣営に加勢 都知事選で石丸伸二を2位に押し上げたプランナー