「終身刑の女」レイチェル・クシュナー著 池田真紀子訳

公開日: 更新日:

 29歳のロミーは、護送バスで郡刑務所からスタンヴィル女子刑務所へ移送される。2つの終身刑プラス6年を科せられているロミーが再び、外の空気を吸える日は来ないだろう。つまり息子のジャクソンをその手で抱く日も来ることはない。

 女友達に誘われるまま10代からドラッグを常用してきたロミーは、ラップダンサーとしてマーズ・ルームという店で働いていた。しかし、ストーカーになった客のカートが引っ越し先にまで現れるようになり、身の危険を感じたあの日、事件が起きた。裁判で国選弁護人はあてにならず、情状酌量は認められなかった。

 社会の底辺を弱者として生きる女性の過酷な人生を描く長編。フランス最高のメディシス賞外国小説部門受賞作。

(小学館 1130円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋