「諦めない女」桂望実著

公開日: 更新日:

 フリーライターの桃子は、人生の一発逆転を懸け、京子へのインタビューにこぎ着ける。12年前、京子の6歳の娘・沙恵が行方不明に。京子のアルバイト先のペットショップに学校帰りに来た沙恵と帰宅途中の出来事だった。スーパーで牛乳を買っている間に、店の前のベンチで待っていたはずの沙恵の姿が消えていたのだ。

 京子に続いて、夫の慎吾や事件時に夫婦の部屋に詰めていた元婦人警官の美香、ペットショップの店長・大谷、慎吾の母・ふみえと父の富雄、沙恵の担任の友梨など、関係者への取材を進めると、娘が生きていることを信じてひたすら待ち続ける京子の異常とも思える姿が浮かび上がってくる。

 一章ごとに読者を裏切る意外な展開に徹夜必至の長編ミステリー。

(光文社 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い