「<全条項分析>日米地位協定の真実」松竹伸幸著
通常、日本の領土・領海・領空では誰もが日本の法令に従わなければならない。だが、駐留する外国軍には、法令が適用されない場合があり、その際の特権と免除の内容、範囲を定めたのが「地位協定」である。著者は、「日米地位協定」には日本という国家の真相・深層が凝縮されているという。
地位協定の前身は、1952年、旧安保条約が発効される際に合意した「行政協定」である。日本政府は、改定交渉を前に行政協定の問題点を洗い出し、どう改定すべきかを詳細に検討した。
本書は、日米地位協定の全条文を行政協定と比較しながら解説。その問題点を指摘しながら、日本政府が主権国家にふさわしい協定にすることをどの程度考え、その考え方が貫かれたのかどうかを検証していく。
(集英社 968円)