「万葉と沙羅」中江有里著

公開日: 更新日:

 一橋沙羅は週1回登校すればいい通信制の高校に入学したが、生活が昼夜逆転しているため、なかなか朝、起きられない。母に起こされてしぶしぶ登校した日、小走りの男子生徒の走り方に見覚えがあるのに気づいた。ずっと隣に住んで、保育園も一緒だった近藤万葉だった。父の転勤で引っ越したということだったが、実は近くに住んでいた。

 母が万葉の叔父がやっている古書店を教えてくれたので行ってみると、万葉がいる。「ねえ、本選び、手伝ってくれないの」と言ったら「目が合った本にすれば」と。目が合ったのは「失われた時を求めて」だった。

 幼馴染みに刺激されて新しい本と出合う少女の物語。

(文藝春秋 1815円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?