「人類は何を失いつつあるのか」山極寿一、関野吉晴著

公開日: 更新日:

 世界的ゴリラ研究者と探検家による対談集。

 山極氏は、人類史のエポックメーキングは「食物の共有」と「共同保育」だと説く。人類のあらゆる生活が「家族」や「集団」と共にあり、そこが人間としての出発点だと。一方の関野氏は、二本足で立ったことに重きをおく。それが家族や集団を守り、あるいは作り上げてきたと。山極氏によると、二足歩行を考えるうえでもっとも重要なのが「食料革命」との関係だという。人類には4回の食料革命があり、その最初が二足歩行が可能にした「自由になった手で食物を持って仲間のもとに運ぶ」という行動だ。

 人類の祖先にどんな体と心の変化がおき、そして社会力をどのように育てたのか。その足跡をたどりながら、現代、そして未来を語り合う文明論。

(朝日新聞出版 814円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性