「人類は何を失いつつあるのか」山極寿一、関野吉晴著

公開日: 更新日:

 世界的ゴリラ研究者と探検家による対談集。

 山極氏は、人類史のエポックメーキングは「食物の共有」と「共同保育」だと説く。人類のあらゆる生活が「家族」や「集団」と共にあり、そこが人間としての出発点だと。一方の関野氏は、二本足で立ったことに重きをおく。それが家族や集団を守り、あるいは作り上げてきたと。山極氏によると、二足歩行を考えるうえでもっとも重要なのが「食料革命」との関係だという。人類には4回の食料革命があり、その最初が二足歩行が可能にした「自由になった手で食物を持って仲間のもとに運ぶ」という行動だ。

 人類の祖先にどんな体と心の変化がおき、そして社会力をどのように育てたのか。その足跡をたどりながら、現代、そして未来を語り合う文明論。

(朝日新聞出版 814円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞