「我が子の気持ちがわからない」河本敏浩著

公開日: 更新日:

 理系難関国立大学志望の高校生B君は、授業を抜け出したり、家では粗暴な振る舞いをしたりして母親を悩ませていた。東大の入試問題も解けるほど数学が得意で、興味のあることには過度に集中するが、それ以外のことは目に入らない。そのため、幼い頃から父親に暴力を受けたが、自分の行動を変えることはできなかった。

 B君のような社会的適応性の欠けた子どもに接するためには、親はそういう一連の行動が資質のなせる業であるとまず考えるべきである。子どもは自分の意思でそういう資質をもって生まれてきたのではないのだから。子どもは外で壁にぶつかったり、人に批判されたりするので、せめて家庭では子どもを温かく包み込む環境を整えるべきだ。

 17のケーススタディーで、歪んだ親子関係を修復する方法を解説する。

(鉄人社 1650円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし