著者のコラム一覧
柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第一話 倫理的にあり得ない(11)目をつけた女の台を辛抱強く狙う

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 涼子は自分の机に戻り、椅子に座った。腕を組み、背もたれに身を預ける。

「私も話を聞いたとき、遺産目当てかもしれないって思った。直人くんの親権を手に入れて、安生になにかあったとき、自分もおこぼれにあずかるって算段かなって。でもすぐに、それはないって気づいた。法律で、親権がど… 

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