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柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第一話 倫理的にあり得ない(13)路地の突き当りで女が振り返る

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 だらしなく伸びた鼻の下を戻し、出崎はブザーを押して店員を呼んだ。

「カモなら他を探せ」

 冷たく言い放ち、缶コーヒーの残りを一気に飲む。女は出崎の言葉を無視して、肩にかけていたショルダーバッグから携帯を取り出した。

「この人、知らない?」

 女が差し出し… 

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