「ドーパミン中毒」アンナ・レンブケ著 恩蔵絢子訳

公開日: 更新日:

 スマホによって、オンラインのカジノやポルノ、ゲームなどの「デジタルドラッグ」に加え、ネットショッピングなどの消費という行動自体もドラッグ化し、現代人を依存に陥れるワナは増殖し続けている。人間を依存に導くのが脳内で放出される神経伝達物質ドーパミンだ。

 実は快楽と苦痛を処理する脳部位は重複しておりシーソーのように働くのだという。快楽を感じて報酬回路にドーパミンが放出されるとシーソーは快楽側に傾く。しかし、シーソーは快楽へ傾くたびに自己調整メカニズムによって水平に戻ろうとし、快楽と同じ分だけ苦痛側へ偏るという。

 精神科医が、セックスやドラッグの依存症患者を例に、依存からの脱出法と、それらに惑わされずに生きるための方法を説いたメディカル本。

(新潮社 1210円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘