「ドーパミン中毒」アンナ・レンブケ著 恩蔵絢子訳

公開日: 更新日:

 スマホによって、オンラインのカジノやポルノ、ゲームなどの「デジタルドラッグ」に加え、ネットショッピングなどの消費という行動自体もドラッグ化し、現代人を依存に陥れるワナは増殖し続けている。人間を依存に導くのが脳内で放出される神経伝達物質ドーパミンだ。

 実は快楽と苦痛を処理する脳部位は重複しておりシーソーのように働くのだという。快楽を感じて報酬回路にドーパミンが放出されるとシーソーは快楽側に傾く。しかし、シーソーは快楽へ傾くたびに自己調整メカニズムによって水平に戻ろうとし、快楽と同じ分だけ苦痛側へ偏るという。

 精神科医が、セックスやドラッグの依存症患者を例に、依存からの脱出法と、それらに惑わされずに生きるための方法を説いたメディカル本。

(新潮社 1210円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る