「ドーパミン中毒」アンナ・レンブケ著 恩蔵絢子訳

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 スマホによって、オンラインのカジノやポルノ、ゲームなどの「デジタルドラッグ」に加え、ネットショッピングなどの消費という行動自体もドラッグ化し、現代人を依存に陥れるワナは増殖し続けている。人間を依存に導くのが脳内で放出される神経伝達物質ドーパミンだ。

 実は快楽と苦痛を処理する脳部位は重複しておりシーソーのように働くのだという。快楽を感じて報酬回路にドーパミンが放出されるとシーソーは快楽側に傾く。しかし、シーソーは快楽へ傾くたびに自己調整メカニズムによって水平に戻ろうとし、快楽と同じ分だけ苦痛側へ偏るという。

 精神科医が、セックスやドラッグの依存症患者を例に、依存からの脱出法と、それらに惑わされずに生きるための方法を説いたメディカル本。

(新潮社 1210円)

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