著者のコラム一覧
柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第二話 立場的にあり得ない(26)辛さが増すのに、来てしまう

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 怜矢はジーパンの尻ポケットにそのまま入れている金を、乱暴にカウンターに置いた。

「ここの店は客が頼んでんのに酒を出さねえのかよ。これで飲める分、黙って出せよ!」

 ここで暴れられては困ると思ったらしく、バーテンダーは嫌な顔をしながらもカクテルを作り出した。

 … 

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