「大学病院の奈落」高梨ゆき子著

公開日: 更新日:

「大学病院の奈落」高梨ゆき子著

 北関東の医療拠点・群馬大学病院で、3年間の間に腹腔鏡による肝臓手術を受けた患者約100人のうち、少なくとも8人が術後に容体が悪化し死亡。8人を執刀したのはいずれも第2外科(消化器外科)の同じ医師で、同外科では手術に必要な院内の倫理審査を申請していなかったことが分かり、2014年秋、病院は院内調査委員会を設置した。

 肝臓切除手術を受けた後に亡くなった60代の男性は術前に「傷が小さくて体にやさしく、回復が早い手術」と説明を受けたが、術後3カ月、重い合併症に苦しみ続けた果てに亡くなった。

 白い巨塔内の醜いポスト争いなど、このような事態が起きた背景に迫るとともに、遺族の悲しみと憤りに寄り添ったドキュメント。

(講談社 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    国分太一は実質引退か? 中居正広氏、松本人志…“逃げ切り”が許されなかったタレントたちの共通点

  4. 4

    《ヤラセだらけの世界》長瀬智也のSNS投稿を巡り…再注目されるTOKIOを変えた「DASH村」の闇

  5. 5

    池田瑛紗は藝大浪人中に乃木坂46に合格 高校も“私立女子御三家”女子学院卒の超才媛

  1. 6

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  2. 7

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  3. 8

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  4. 9

    ポップの本質からズレた、山下達郎の一連の発言への違和感

  5. 10

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も