「女スパイ 鄭蘋茹の死」橘かがり著

公開日: 更新日:

「女スパイ 鄭蘋茹の死」橘かがり著

 1941年10月、吉平は1年半ぶりに上海に戻る。かつて陸軍特務部に勤務していた吉平は、日中和平工作に関与。軍を批判して、憲兵隊につかまり国外退去を命じられたが、ようやく渡航許可が下りたのだ。

 ある人物から密命を受け、上海に戻った吉平だが、その前に片づけなければならないことがあった。それは、特務部の協力者だった鄭蘋茹の死の真相を突き止めることだ。

 主席検察官の娘で、日本人の母親を持つ蘋茹は、日本語も堪能で、清楚な美人だった。その蘋茹が、日本政府が抗日テロ対策として親日派中国人を傀儡として設置した特務機関「ジェスフィールド76号」の主任・丁黙邨に接近し、暗殺を試みた末に失敗して処刑されたというのだ。

 実在の女スパイをモデルにした書き下ろし歴史サスペンス。

(徳間書店 792円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  2. 2

    一発退場のAぇ!group福本大晴コンプラ違反に「複数人関与」疑惑報道…旧ジャニ“インテリ”枠に敬遠の風向き

  3. 3

    だから今年の日本女子オープンはつまらない…“簡単コース”で予選カットラインは史上最少「-1」

  4. 4

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  5. 5

    囁かれていた「Aぇ!group」は「ヤベぇ!group」の悪評判…草間リチャード敬太が公然わいせつ容疑で逮捕の衝撃

  1. 6

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  2. 7

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  5. 10

    男子の試合はガラガラ…今年のANAオープンのギャラリー数を知って愕然としました