「争わない社会」佐藤仁著

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「争わない社会」佐藤仁著

 21世紀は9.11同時多発テロで幕を開けた。アメリカとイスラム原理主義のような「二項対立的発想」があるためだが、著者はそれを超えて人間を結びつけたり引き離したりする力を「依存関係」という視点から考えてみた。

「依存」とは「ほかのものに頼って存在していること」だが、依存先の選択肢が限定されると与えられた状況に身を任せるしかなくなる。だが、依存先が複数のネットワークを形成していると、争いの原因になる他者の蔑視や排除に加担する可能性は低くなるのではないか。

 東洋史学者、宮崎市定はそれを、地上では違う形で現れるが共通の根を持つスギナとツクシに例える。

「開かれた依存関係」を提唱する文明論。

(NHK出版 1870円)

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