「私たちの世代は」瀬尾まいこ著

公開日: 更新日:

「私たちの世代は」瀬尾まいこ著

 ママと2人暮らしの冴が小学3年生になった頃、感染症の流行で休校になり、5月からクラスを半分に分けて週2日登校になった。マスクが手に入りにくくなって、ママがミシンでガーゼのマスクを作った。冴のクラスで配ると先生は喜んだが、マスクが1枚残った。長期欠席中の清塚くんの分だ。

 ママと一緒に届けに行くと、細い男の子が出てきた。両親は留守で、朝食も昼食も食べてないという。スマホを持ってないので、分散登校の指示が届かなかったらしい。ママはコンビニでパンと牛乳を買ってきて清塚くんに渡した。それから冴は3日に1度、パンを届けに行くようになる。

 困難な時代を生きるマスク世代を描く物語。 (文藝春秋 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も