「掬えば手には」瀬尾まいこ著

公開日: 更新日:

 梨木匠は個性といえるようなものを持っていない平凡な大学生だが、中学3年のとき、人の心が読めることに気づいた。中学入学のときから不登校だった三雲さんが登校したとき、10月なのに夏服を着ていることを気にして固まっていた。匠が学ランの下にドラえもんのTシャツを着ているのを見せると、三雲さんはほっとして席に着いたのだ。

 匠は現在、物言いがひどく乱暴な店長がいる店でバイトしている。その店に新しく常盤さんという女性が入ったが、なぜか彼女の心は読めない。バイトが休みの日、マラソン大会があるので誘ったら断られてしまった。だが、常盤さんの背中から「気にかけてくれてありがとう」という声が聞こえた。

 心につらい秘密を抱えた女性をめぐる心温まる物語。

(講談社 1595円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    9日間の都議選で露呈した「国民民主党」「再生の道」の凋落ぶり…玉木vs石丸“代表負け比べ”の様相

  5. 5

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  1. 6

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

  2. 7

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    28時間で150回以上…トカラ列島で頻発する地震は「南海トラフ」「カルデラ噴火」の予兆か?

  5. 10

    自転車の歩道通行に反則金…安全運転ならセーフなの? それともアウト?