「怖い患者」久坂部羊著

公開日: 更新日:

「怖い患者」久坂部羊著

 区役所勤務の愛子は、幼いころから地味な容姿を理由に見下されてきた。

 ある日、職場のトイレで同僚らが自分の悪口を言っているのを耳にして以来、たびたび発作が起きるようになった愛子は、パニック障害と診断される。しかし、医師の診断に納得できない愛子は、自分に合った医者を求めて「ドクターショッピング」を重ね、ようやく医師の小川のクリニックにたどり着く。小川の治療によって症状も落ち着き、復職も見えてきた。

 そんなある日、愛子はネットで小川が覆面作家として活動していることを知る。作品を読むと診察室で語った自分をモデルにしているとしか思えず、信頼していた小川に不信を抱く……。(「天罰あげる」)

 現役医師の著者が、医療者と患者の関係をテーマに描くイヤミス作品集。 (集英社 704円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは