「老父よ、帰れ」久坂部羊著

公開日: 更新日:

「老父よ、帰れ」久坂部羊著

 45歳の好太郎は、認知症を発症して施設に預けている父親の茂一を自宅マンションに引き取り、介護を始める。

 認知症の症状が出始めた当初、好太郎は先のことばかり心配して、症状の悪化を防ごうと脳トレや運動療法を無理強いしたが、結局、茂一の認知症は進み、さまざまなトラブルを起こし施設に入れてしまった。その反省から、今回は恩返しのつもりで、茂一に寄り添った介護をすると決心したのだ。

 良好な介護を続ければ、もう一度自分の名前を呼んでくれるかもしれないという淡い期待もある。不安を口にする妻の泉を説得して、高校生の娘・千恵の了解も得て、好太郎は会社に介護休暇60日を申請。書斎を介護部屋にして、好太郎を迎え入れるが……。

 医師でもある著者が、認知症介護のリアルを描いた長編小説。

(朝日新聞出版 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  3. 3

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  4. 4

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  5. 5

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  1. 6

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  2. 7

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  3. 8

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  4. 9

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  5. 10

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩