「わるい平安貴族」繁田信一著

公開日: 更新日:

「わるい平安貴族」繁田信一著

「きらびやか」で「みやび」なイメージがある平安貴族だが、彼らは一方で悪事にも手を染めていたという。それどころか、あの優雅な生活は、さまざまな悪事に支えられていたと言っていいらしい。そんな平安貴族たちの悪事の数々を暴く事件簿。

 あの「枕草子」の作者、清少納言の実兄・前大宰少監清原致信もそのひとり。寛仁元(1017)年のある日、平安京の家宅にいた致信は、多くの武士とその随兵に襲われ、平安貴族らしからぬ最期を迎える。殺されたのには理由があり、犯人も平安貴族で、以前に致信が犯した殺人のあだ討ちだったという。さらに驚くことに、致信に殺人を指示したのは和泉式部の夫だったそうだ。

 当時の文献を読み解きながら、平安貴族たちの知られざる素顔を明らかにする歴史読み物。

(PHP研究所 924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較