著者のコラム一覧
辻堂ゆめ作家

1992年、神奈川県生まれ。2015年、第13回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し「いなくなった私へ」でデビュー。「トリカゴ」で第24回大藪春彦賞受賞。2022年、「卒業タイムリミット」がNHK総合で連続ドラマ化。著書に「十の輪をくぐる」「二重らせんのスイッチ」ほか多数。

(32)もう、取り返しがつかない

公開日: 更新日:
イラスト・高井雅子

 幻聴と戦う間にも、痛みは着実に強くなっていった。初産とは、もっと時間がかかるものではないのか。母体が若いと進みが早まるのか。判断がつかない。だが痛みの間隔は狭くなっている。さすがに産院に電話しなければ。タクシーを呼ばなければ。思考だけが同じところを回り続け、身体が置いてきぼりに… 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り1,242文字/全文1,383文字)

【連載】ジャングルジムとチューリップ

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較